「誰だよ。そいつ」その2(慎は、普通に大学に行ってる設定です。)









「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!?!?」


「・・・・・・・・・うるせー・・・」


それは、ある日の夜の出来事がきっかけだった。








放課後。


久美子と黒銀学園3年D組の生徒5人(竜、隼人、土屋、武田、日向)は、
久美子の元生徒であるクマのラーメン屋に来ていた。


今日の授業中、久美子が武田の落ちたボールペンを踏んづけて壊してしまったお詫びを
してもらおうと、竜たちが連れてきたのだ。


今日だけに限らず、昨日は日向の落としたノートを踏んづけて、おまけに滑って転んだ。


とにかく、ここ数日の久美子は変だった。


いや、いつも変だけど。さらに・・・というか、いつもとちょっと様子が違った。


ぼーっとしているのはしょっちゅうだし、日に日に目元のくまは酷くなり、顔色も悪い。


生徒達もそれぞれみんな心配していたけれど、素直に心配だとはいえず
竜たちはお詫びと称して久美子を元気づけようと店へ連れてきていた。







まだ夕飯には早く、店内には久美子たちしかお客はいない。


ラーメンをすすりながら、竜たちはチラチラと久美子を盗み見た。


箸を持つ手もフニャフニャで、ボケーっと目が虚ろ気味・・・。


(大丈夫かよ、こいつ・・・。やべーんじゃねーの?)


(普段悩みなんかなさそうにみえっから、なんか余計に不安になってくんな)


(重度の寝不足って感じだな・・・)


(失恋か?)


(不治の病だったりして・・・・・・・)


こそこそと5人が話していると、厨房のほうから仕込みを終えたらしいクマが心配顔で出てきた。


けれどクマは皆に声をかけずに、胸元で腕を組んで何か考え込んでしまった。


その様子に5人も首を傾げる。


元生徒だというクマに助けを求めることに、なんとなく乗り気じゃない気持ちもあった。


それがどっからくる気持ちなのかはわからないけど。


なんか妙な違和感みたいなものを感じたけれど、それでもどんどん悪くなる久美子を
放っておけず、この店につれてきたのだ。


自分たちよりも付き合いの長い人なら、なにか知っているかもと思ったのに。


考え込むクマの姿に、この人でもわからないのかと落胆しかけた時、クマが近づいてきた。


「ヤンクミ・・・、大丈夫か?」


心配そうに久美子の顔を覗く。


「・・・・・・えっ?あっ・・・だ、だいじょうぶ・・・だぞっ」


クマの声に少し遅れて気がついた久美子は、咄嗟に笑顔を作るけれど
無理してるのは誰が見ても明らかだった。


全然、大丈夫じゃねーだろ・・・と、6人が同時に思う。


いつもの満面の笑顔とは違う、無理してる笑顔にズキリと胸が痛んだ。


小さく笑顔を作ったまま箸を動かす久美子に、クマは意を決したように問いかけた。


「あのさ、ヤンクミ・・・。もしかして・・・・・・慎となんか、あったのか?」


クマの言葉に、久美子の手がビクッと震えて止まった。


明らかに動揺を見せる久美子に、クマはどこかショックな表情を見せ、
他の5人は久美子の動揺に驚きながらも、


(((・・・・・シンって誰?)))


心の中でハモッていた。





「・・・さ、さささ・・・さわだのはは、はなしはすすすんなななっ」


一瞬にしてサーッと音を立てるように真っ青になって、体全体がガタガタと震え始めた
久美子に、6人も一斉に顔を青ざめる。


「ま、ま・・・まさかっ」


クマが久美子と同じように真っ青になって、信じられないって顔で声を上げた。


「まさかっヤンクミっ!?とうとう我慢できなくなった慎に強引にっ?!」


「なっ!?なんすかっそれっ!?」


「い、今のはどういうっ!!」


クマの言葉に慌てたのは生徒達だ。


思わず立ち上がり、土屋と武田は慌てた様子でクマに目をやり、日向は混乱して頭を抱え
隼人と竜は青いとも赤いとも感じる怒りの表情を浮かべて久美子を見やる。


すると久美子が頭を抱えて、突然叫び声を上げた。


「ぎゃぁぁぁ〜〜〜っ!!思い出しちまったじゃねーかぁ〜っ!?」


「や、やっぱり慎にっ?!」


(慎〜〜っなにやっちゃったんだよ〜っ)


「な、なにがあったんだよっ山口っ!?」


「だ、だだだめだっ!思い出すだけでも怖ろしいっ!!」


「ヤンクミっ!?」


「あああああの・・・おおおおそろしい映像が頭から離れねーんだよっ!!」


「なんなんだよっ!いった・・・い・・・・・ん?・・・・・・・映像?」


そこまできて。


なんとなく・・・話がかみ合ってない気がしてきた・・・。


「・・・慎になんかされたんじゃないのか?」


「・・・・・なにがあったんだよ・・・。山口・・・」


頭を抱えて、なにやら悶々としている日向を残し、騒然としていた空気が落ち着いてきた。


「う、うぅ・・・・・いつものように沢田んちのマンションにいったんだ・・・・・・」


そして震えながらもぽつりと話はじめた久美子に、一斉に固唾を飲み込む。


「お、おう・・・それで、慎となんかあったのか?」


(((・・・だからサワダとかシンとかって誰っ?・・・・・・)))


「め、飯食ったあとのんびりして・・・それでテ、テレビつけたんだ。そそそれで・・・」


「・・・・・・・・・・・?」


「なななんか映画やってて・・・。あ、あいつ・・・新聞とってないだろ?」


「・・・もしかして・・・」


「・・・?」


「な、な、なにやってんのかなって・・・みみみみ・・・・・・・・・・・」


−−−−−−フラ〜・・・。


「ヤンクミっ!?」


「山口っ!?」


−−−−−−バタッ・・・。


「ヤンクミっ!お、おいっしっかりしろっ!!」


「山口っ!?大丈夫かよっ!おいっ?!」


「・・・・・・・気絶してる・・・・・・・・」


「・・・な、なんだよ・・・大丈夫なのか?」


「ああ・・・大丈夫だろ・・・」


「・・・・・・・・・はぁ・・・と、とりあえず・・・家に寝かせよう・・・」














「・・・あの・・・それでいったい・・・なにが・・・」


「映画だよ。ホラー映画、何日か前にやってただろ、テレビで」


「ホラー映画〜っ?」


「ヤンクミ、ものすごい怖がりなんだよな・・・・・」


「・・・・・・な、なんだよ・・・それ・・・」


「・・・怖くて眠れなかっただけかよ・・・」


「はぁ・・・でもよかったぜ。・・・そうだよな・・・。
 よく考えてみりゃ、慎がヤンクミに酷いことするわけねーよな」


(((だからシンって誰だよッ!?)))





翌日。久美子は昨日までの不調が嘘みたいに元気いっぱいだった。


そして反対に・・・。


5人の・・・。特に、竜と隼人の気分は最低最悪だったらしい。






おまけ話?


気絶したままの久美子を心配そうに見ていた5人をなかば強引に帰したクマは、
慎の携帯へと連絡をしていた。


「ヤンクミは?大丈夫なのか?」


「お、おお。大丈夫だ。」


「そうか。・・・クマ、お前店あるだろ?すぐにそっち行く」


「あ、ああ・・・頼む・・・・・」


「・・・?・・・なんだ?」


「・・・い、いや・・・・・・悪かったな。慎・・・」


「・・・?」


「なんかさ・・・変に誤解しちまって・・・。・・・それに・・・・・・」


「なんだよ?」


「・・・い、いやっ・・・なんでもねーっ!じゃ、じゃあ、またあとでなっ!!」


「・・・・・・ああ」


(なんか、ライバルを増やしたってゆーか・・・よけいに燃やしちゃった気がすんだよな)


なんとなく。慎と同じような殺気を感じたクマだった。


(・・・ヤンクミ・・・・・・頑張れよっ!)





おまけ話。その2。


「だから眠れなかったら電話しろっていっただろっ・・・?」


「だ、だって・・・なんか沢田んち思い出すとあれまで浮かんできて・・・」


「・・・はぁ・・・。・・・極妻でも借りてくるか?」


「え?」


「他の映画見れば忘れるだろ」


「さ、沢田っ!お前、やっぱり天才だねっ!!」


(・・・これ以上、無視されたら耐えらんねーからな・・・)








あとがき


駄文です。ものすごい駄文です。こんなものをUPするなんてせっかく来てくださった方には
大変失礼ですみませんでした・・・。


慎クミ←竜、隼人なリクエストが拍手であったので書いてみようと思ったのですが・・・。

やっぱり私には無理だったようで・・・ものすごく中途半端なできです。

(誰が誰だかわかんないし)

(ちなみに最初の方の()は、上から順に、隼人、土屋、竜、日向、武田です。)


本当に・・・駄文です・・・。

メッセージで遠慮なく不満をぶつけてやってくださいませ・・・。